女はこええ

性別で区切るのもどうかとは思うけど、第一声として言いたい。
女は怖い。

もう6,7年は会っていない女・A子と、ふとしたことからメールのやりとりが始まってしまった。僕としてはA子は関わりたくない相手なので、甚だ不本意な流れなのだが、むげに無視したりするのもなんだし、それよりなにより、A子は無視したりすると激昂するタイプなので、無視したりして逆鱗に触れるのが単純に怖いのだ。

10年ほど前。まだ僕らが大学生だったときに、A子は俺のことが大好きだったそうで、サークルの飲み会などでは必ずつきまとってきた、というか、酔っ払った俺に無理やりキスしたり(フツー逆だろう…?)、実にさまざまな交渉を強要しようとした。俺はA子はまったくタイプではなかったので、逃げ回ってばかりだった。

あるときから、当時の準ミスキャンパスで、かわいいが気が強いB子と仲良くなって、デートをするようになった。B子とA子は同じ学部&同じサークルの顔見知りだった。

ところが、俺とB子がデートするようになると、A子は学部にB子の悪口を言いまわるようになる。いわく、B子はあたしの慎吾をたぶらかす女狐だ、あいつは本当は悪い女で、男をたぶらかすことだけに才能がある、と。これは、後にB子と一部のその取り巻きに聞いた話に過ぎないので確認したわけではないよ。ただ、最初B子は結構やりこめられていたが、どうやら形勢が逆転して、A子の方が「変な女」だということになり、丸く収まったはずだった。これは結構有名なエピソードで、学部の女の子たちの間でちょっとは盛り上がったと思う。それ以降、A子とはすれ違うくらいで、まともに会話も交わしたかどうかよく分からないくらい。

時は流れて10年。俺はB子と婚約した。B子は色々苦労していい女になっていて、10年前よりも全然ステキだ。俺はB子とハッピーにやっている。

A子からメールが来たのはそんな折だ。絶対に会いたいので、なんとか時間を作ってください、という内容だった。

俺はA子と関わりをもちたくなかったが、しぶしぶ返信した。なぜなら、A子と俺の共通の友人が、「返信してあげて」と何度も言うからだ。この共通の友人というのがまた色々書きたい対象なのだが、今回は割愛。
なので、A子とは係わり合いを持ちたくないということを暗に匂わせるために、婚約して結婚式の準備などで忙しいので会えません、ということを書いた。そして、婚約したのがB子であることも、明確に記載した。

ところが、先ほど来た返信というのがスゴイ。

「A子です。返信ありがとう。
そうか〜、結婚式の後となると4月だから随分先だね。絶対に会いたいので忘れないでね。
ところで、B子さんてどなたですか?私、知らないと思うんだけど。」

だって。